The Reindeer Hunters
トナカイのハンター

「本当に長い時間歩き続けたなぁ」 とNorrønaのベテラン・ハンティング・アンバサダーのマーティン・ブロムは秋のベストハンティング・トリップの一つを思い起こしながら語った。

ブロムと彼のガールフレンドのランヒルド・ジェルスヴィック、そして写真家のスヴェラ・ヨルネヴィックは、ノルウェー西部ソグン・オ・フィヨーラネ県の美しい自然に恵まれたラルダール – オールダール地区にトナカイのハンティングをするために訪れていた。「霧がかかって、ちょっと晴れた後、ランヒルドが突然約1km先に2頭の雄トナカイを見つけたんだ。僕たちは、座ってじっと観察していた。少し時間が経つと霧がかかって、トナカイの姿を見失ってしまった。でもその後、突然僕たちの前方わずか15メートル先に1頭の雄トナカイが現れたんだ。ランヒルドは撃つ準備ができていたけど、ここでまたしても霧が深くなってきた。そのうえ、トナカイは僕たちの正面の稜線上に立っていて、後方に何があるのか100%正確にはわからなかった。獲物が見えない時、我々は決して発砲しない。だから撃たなかったんだ。それからトナカイは我々に気づいて逃げてしまった。その後は、残念ながらトナカイの姿を見ることはなかったんだ。」とブロムは語る。

トナカイ(学名:rangifer tarandus)はシカ科に属しており、世界の最北地域に生息している、冬季の厳しい寒さや雪にも適応できる生き物だ。トナカイが他のシカ科の生き物と大きく違うのは、雄も雌も枝角があることだ。通常、トナカイの肩高は82〜120センチである。ハンティングで射止めた雄のトナカイの体重は通常70〜100キロで、雌は40〜60キロだ。「“ラルダールとオールダールの間の山脈がトナカイのハンティングをするスポットとしては、最も美しい風景が楽しめる場所だ。あそこにはまさに手つかずの自然があるんだ。1,200〜1,300メートル下方のソグネ・フィヨルドを山から見下ろすと、本当に高いところにいるんだなあという気持ちになる。あそこで動物を見つけることは難しい。あのエリアに生息しているトナカイはすごく少なくて、たった250頭くらいしかいないんだ。」とブロム。彼によると、トナカイのハンティングはなかなか条件が厳しいとのことだ。荒地を長時間歩き回らなくてはならないし、しかも長距離である場合が多い。また、山中で狙いを定められる場所を見つけては、双眼鏡でそのエリアの景観をよく調べる必要もある。「とにかく難しいのは相手に気づかれることなく獲物と適度な距離をおくことだね。」とブロムは言う。「ラッキーなことにトナカイを撃つことができたら、その場所で解体をしなくてはならない。多くのハンターたちにとって、これは難題だよね。そして、その後も体を刻んで肉と一緒に詰めて持って帰らなくてはならない。帰り道にこの重さはこたえるよ。」

 

しかしブロムは、トナカイハンティングのポジティブな面にも着目している。「僕は16歳の頃からトナカイのハンティングをしていて、その前から何年も他のハンターたちを見てきた。僕はトナカイのハンティングが本当に好きなんだ。何よりも、本当に唯一無二の体験ができるんだよ。とても興奮させられるし、それに肉体的にもチャレンジングだと思う。また何よりも、トナカイの肉はおいしい。ノルウェー人の結婚式でトナカイの肉がメニューにあるのは、思いつきというわけではないんだ!」

Norrøna Magazine